ワサビ田の開墾予定地に行ってきた〜私がワサビ田をやってみたいと思った理由〜

ワサビ田開墾
オレンジベア
MA-SAN

みなさんワサビ田を見たことがありますか?ここでは私がワサビ田を始めるきっかけになった出来事を綴ります!

ワサビで涙を流したのは中二っす。

私がワサビ田を初めて見たのは中学生の時でした。奥多摩湖までバスで行き、初めて歩く水根沢林道を歩き鷹巣山を目指していた時でした。登山道の下には水が轟々と流れる水根沢があり、少し緊張して歩を進めていた時に、突然緑の階段が目の前に現れたのです。

それはワサビ田でした。「何をやっているんですか?これはなんの葉っぱですか?」立て続けに質問する私におじさんが教えてくれたのは「これはワサビだよ」ということでした。少しそこでかじらせてもらった茎や葉は清涼感こそ感じましたが特に辛いわけではありませんでした。

自宅に持って帰ると今は亡き祖母が「珍しいものを持ってきたねぇ。」と熱湯を通して瓶に詰めてくれました。次の日楽しみに瓶を開けた私の鼻には「ツーン!」というとんでも無い刺激が来ました。涙を流しながら、ワサビの葉をくれたおじさんが「辛いぞー」と笑っていたのはこういうことなんだと思ったものです。

奥多摩のワサビ田が消えた!

あれから30年が経ちました。時折、奥多摩を訪れていましたが冬の景色は大きく変わっていきました。ワサビ田がどんどんなくなっていったのです。冬でも青々とした葉を渓流沿いに並ばせる段々の田んぼはとても美しかったものですが、次第にその景色は無くなっていったのです。

荒れ果てていますが30年前は良いワサビが取れたそうです。

 

あの風景をもう一度。

奥多摩を歩くと今ではあちこちに崩れた、時には当時の形を保った段々の田があります。しかしそこにはかつてのような緑はなく、潰れた小屋、時には小屋の跡形も無く炭焼きを行なっていたであろう黒い土が広がっていたり、びっくりするほど立派な石組みが残るだけです。

あれから30年が経ち、奥多摩で働くことになった私はなんだかあの風景をもう一度見てみたくなったのです。つまりワサビ田を自分で開墾すると言うことです。しかしそこには大きな障壁がありました。その話はまたいつか。

ワサビ田の開墾予定地に行ってきました。

結局、奥多摩のワサビ田の多くは担い手がいないことや水の流れが変わったり、多くの土砂災害を経て手放されて荒廃してしまったのです。

また、林業が栄えたことから多くの紅葉樹が切られて、育成の早いスギやヒノキと言った針葉樹が代わりに植えられたこともワサビ田の衰退の原因かとも思います。針葉樹は必要とする水の量が多く土壌をカラカラに乾かし、土壌自体を弱くさせます。ワサビ田の沢の多くの場所で土砂崩れが起こり沢が埋まり流れが変わってしまっています。

それでもワサビを耕作している人は多いのです。そしてそのほとんどが高齢の方達です。まぁ、やたら元気な人が多いですけど(^^)

30kg近い収穫したワサビを担いで歩く喜寿にも近い大先輩。

林道や道路に近い場所などはほとんどがまだ誰かが耕作しています。

私がワサビ田を耕作(というより開墾か?)しようとしている場所は針葉樹林ではなく、紅葉樹の森の中です。そして水も豊富で湧き水がたくさん沸いています。

なんでこんな良い場所が空いていたか?という要因としては、車を停めてから40分間歩かないと到達しない場所であるからです、、、(´ー`)

耕作用の荷物やセメントを荷上げするだけでも大変な苦労です。そこは「やりがい」という言葉で片付けようと思っています!!

今後の手続きは?

町の所有する土地ということがわかったので、念の為役場の産業課に行ってワサビ田の台帳を見せてもらい現在は誰も耕作していないことを確認しました。

昔は使われていたであろう木橋が見えます。

耕作自体は始めて良いとの事でしたので、並行してこれから町と土地を借りる契約を進めて行きます。

私はあの青々とした美しい段々の田をもう一度見たいのです。

そしてその作業を自分ができるということは至高の喜びです。

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