ヤマで死なないサバイバルエッセンス / 9章:登山前後の安全意識

9-1. 登山届(山行計画書)は未来の“困った自分”への贈り物

MA-SAN
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「登山届、ちゃんと出していますか?」

これは、ただのマナーだよー、とかの話ではないです。

山で本当に怖いのは、事故そのものより

“見つけてもらえないこと”

なんです。

今回は、実際の救助現場から見た、

登山届の有無によって運命が分かれた3つのケースをご紹介します。

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ケース① 登山届なし「奥多摩に行ったらしい」だけ。

  • 単独行。「帰ってこない。」と家族からの通報で警察が動き出したのは、出発から丸一日以上が経過してから。
  • 情報は「奥多摩方面に出かけた」という曖昧なものだけ。
  • 登山口も、使用した交通手段も本当に奥多摩に来たかも不明。

結果、山域の特定に時間がかかり、発見には至らず。

現在も「失踪扱い」。

このように死亡が確認されていない場合は、
保険金も下りず、住宅ローンもそのまま、家族も苦しいままです。

ケース② 家族に行き先は伝えていた。でも、それでは遅かった

  • いつも紙地図使用、行き先は「奥多摩方面」と伝えていた。
  • 帰ってこないことで家族が心配し通報。
  • 普段からPCにメモを残す習慣があり、「奥多摩の△△ルート」と記載されていた。
  • 家族がそのメモに気づき、山域を特定。遭難から2日目に警察や捜索隊が現地入り。
  • 道迷いから、街の灯が見えたことから間違った尾根を下ったと推測される遭難。
  • ルートを大きく外れた沢筋で発見されたが、すでに命を落としていた。

「伝えていた」だけでは、救助の初動が遅れてしまうのです。


ケース③ コンパスで提出済み。迅速な発見と救助に成功

  • 登山アプリと連携したコンパス(https://www.mt-compass.com)を利用して登山計画を提出。
  • 予定時間を過ぎても下山報告(時間によりメールで回答)がなかったことで、家族、警察が即時に動く。
  • 登山計画とGPSログからエリアを絞り、翌朝には発見・救助。

救助が間に合ったのは、「届出が出ていた」「居場所が特定できた。」から。


登山届の出し方|紙でも電子でも「出すこと」が命を守る

広域な山域で人を一人見つけることは、
公園の砂場の中に落とした一粒の砂金を見つけるようなものです。
それがどの公園の砂場かわからなかったら?
砂場の中の幾つもある山の中のひとつとわかっていたら?

紙で出す場合

  • 登山口や最寄駅に設置されたポスト
  • 紙に書いて家族や宿に渡すことも有効

形式にこだわらず、「どこを、誰と、いつ行くか」だけでも残すことが大切です。

電子で出す場合

【おすすめ】コンパス登山計画

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地図から登山計画を作成する登山届ツールとして、登山前や登山中、そして次の山行の備えに役立つサービスを提供します。山や自然を安全に安心して楽しむことを目的に、全国の自治体や警察とも協定を締結し、山岳ネットワークを拡充しています。
  • スマホやPCで簡単に提出
  • YAMAP・ヤマレコと連携可
  • 下山通知もワンクリック

YAMAP・ヤマレコ(登山アプリ)

  • ルート作成と提出がアプリ内で完結
  • コンパスと連携して提出可能
  • 仲間とも計画を共有しやすい

登山届を出さないと、どうなるか?

  • 発見されず、失踪扱いになる可能性
  • 生命保険金などの補償が受けられない
  • 住宅ローンも遺された家族が払い続ける
  • 救助活動が遅れ、命を落とすリスクが高まる
  • 広域捜索になり、救助隊のリスクも大きくなる
  • 捜索は自費、消防が動くのは生存の可能性がある72時間まで。
    警察が動くのは長くても1週間、そこから先の捜索は自費になります。
    2人ペアで2方向からさがしたら?いくらかかるか分かりますか?
    1日の日当5万/1人としても1週間で140万円、ドローンやその他の機材、
    人員を増やす場合はその額では済まされません。

この辺りの話は別項で。


登山届は、困った自分への贈り物。

登山届は、ルールではなく命を守る行動です。

帰ってこなかったら、
「どこを探せばいいのか?」

それが明確であるだけで、
救助のスピードと精度がまったく違うのです。

未来の自分を助けるために、
登山届という“見えない贈り物”を、
しっかり出しておきましょう。

いつも山に入っていて、
山で暮らしていて思います。

山は、大きい。
人間は、うんと小さい。

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