
MA-SAN
「登山届、ちゃんと出していますか?」
これは、ただのマナーだよー、とかの話ではないです。
山で本当に怖いのは、事故そのものより
“見つけてもらえないこと”
なんです。
今回は、実際の救助現場から見た、
登山届の有無によって運命が分かれた3つのケースをご紹介します。
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ケース① 登山届なし「奥多摩に行ったらしい」だけ。
- 単独行。「帰ってこない。」と家族からの通報で警察が動き出したのは、出発から丸一日以上が経過してから。
- 情報は「奥多摩方面に出かけた」という曖昧なものだけ。
- 登山口も、使用した交通手段も本当に奥多摩に来たかも不明。
結果、山域の特定に時間がかかり、発見には至らず。
現在も「失踪扱い」。
このように死亡が確認されていない場合は、
保険金も下りず、住宅ローンもそのまま、家族も苦しいままです。
ケース② 家族に行き先は伝えていた。でも、それでは遅かった
- いつも紙地図使用、行き先は「奥多摩方面」と伝えていた。
- 帰ってこないことで家族が心配し通報。
- 普段からPCにメモを残す習慣があり、「奥多摩の△△ルート」と記載されていた。
- 家族がそのメモに気づき、山域を特定。遭難から2日目に警察や捜索隊が現地入り。
- 道迷いから、街の灯が見えたことから間違った尾根を下ったと推測される遭難。
- ルートを大きく外れた沢筋で発見されたが、すでに命を落としていた。
「伝えていた」だけでは、救助の初動が遅れてしまうのです。
ケース③ コンパスで提出済み。迅速な発見と救助に成功
- 登山アプリと連携したコンパス(https://www.mt-compass.com)を利用して登山計画を提出。
- 予定時間を過ぎても下山報告(時間によりメールで回答)がなかったことで、家族、警察が即時に動く。
- 登山計画とGPSログからエリアを絞り、翌朝には発見・救助。
救助が間に合ったのは、「届出が出ていた」「居場所が特定できた。」から。
登山届の出し方|紙でも電子でも「出すこと」が命を守る
広域な山域で人を一人見つけることは、
公園の砂場の中に落とした一粒の砂金を見つけるようなものです。
それがどの公園の砂場かわからなかったら?
砂場の中の幾つもある山の中のひとつとわかっていたら?
紙で出す場合
- 登山口や最寄駅に設置されたポスト
- 紙に書いて家族や宿に渡すことも有効
形式にこだわらず、「どこを、誰と、いつ行くか」だけでも残すことが大切です。
電子で出す場合
【おすすめ】コンパス登山計画

登山届と地図アプリ/コンパス~山と自然ネットワーク~
地図から登山計画を作成する登山届ツールとして、登山前や登山中、そして次の山行の備えに役立つサービスを提供します。山や自然を安全に安心して楽しむことを目的に、全国の自治体や警察とも協定を締結し、山岳ネットワークを拡充しています。
- スマホやPCで簡単に提出
- YAMAP・ヤマレコと連携可
- 下山通知もワンクリック
YAMAP・ヤマレコ(登山アプリ)
- ルート作成と提出がアプリ内で完結
- コンパスと連携して提出可能
- 仲間とも計画を共有しやすい
登山届を出さないと、どうなるか?
- 発見されず、失踪扱いになる可能性
- 生命保険金などの補償が受けられない
- 住宅ローンも遺された家族が払い続ける
- 救助活動が遅れ、命を落とすリスクが高まる
- 広域捜索になり、救助隊のリスクも大きくなる
- 捜索は自費、消防が動くのは生存の可能性がある72時間まで。
警察が動くのは長くても1週間、そこから先の捜索は自費になります。
2人ペアで2方向からさがしたら?いくらかかるか分かりますか?
1日の日当5万/1人としても1週間で140万円、ドローンやその他の機材、
人員を増やす場合はその額では済まされません。
この辺りの話は別項で。
登山届は、困った自分への贈り物。
登山届は、ルールではなく命を守る行動です。
帰ってこなかったら、
「どこを探せばいいのか?」
それが明確であるだけで、
救助のスピードと精度がまったく違うのです。
未来の自分を助けるために、
登山届という“見えない贈り物”を、
しっかり出しておきましょう。
いつも山に入っていて、
山で暮らしていて思います。
山は、大きい。
人間は、うんと小さい。
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