
今回はシューズの話になります!登山で一番大切な装備は何か?それを問われたら、私は迷わず「靴」と答えます。
山は歩いて進む場所です。そして歩くという動作のすべてを支えているのが、足であり、その足を守っているのが靴だからです。
私はこれまで、靴にまつわる事故や救助の現場を数多く見てきました。
足首をひねって動けなくなった人、靴底が剥がれて歩行不能になった人、サイズの合わない靴で靴擦れを起こし、痛みのあまり下山できなくなった人──どれも他人事ではありません。
「とりあえずの1足」では、山では生き残れません。
この章では、登山靴とトレイルランシューズの違い、選び方、メンテナンス方法まで、しっかり解説していきます!
後述しますが、靴乾燥機が最強です!
登山靴とトレイルランシューズの違いとは?
まず理解しておきたいのは、「登山靴とトレランシューズは別物」であるということです。
どちらにもメリット・デメリットがあり、使用目的によって選び方がまったく変わります。
- 登山靴:ソールが硬く、耐久性と防水性に優れる。重装備や長時間行動にも対応。足首までカバーするハイカットが主流。
- トレイルランシューズ:軽量で柔らかく、スピードと機動性に優れる。通気性が高く、足へのフィット感も高いが、防御力は低め。
「どちらが正解か」ではなく、「自分の山行スタイルにどちらが適しているか」で選ぶべきです。
使用シーンで選ぶ“命を守る靴”
- 日帰り登山・低山ハイク:軽登山靴 or トレランシューズでも可
- 縦走登山・岩稜帯・悪天候:ハイカットの登山靴が基本
- スピードハイク・レース:グリップと軽さを重視したトレランシューズ
重要なのは、「その日の荷物の量・距離・路面状況・自分の体力」に応じて選ぶことです。
ベテランほど、その日の山行に合わせて複数の靴を使い分けています。
実際にあった“靴による遭難”の例
ある60代の男性登山者は、10年以上使ってきたお気に入りの登山靴で低山に入りました。
しかし靴底の接着剤が劣化しており、下山中にソールがバコッと剥がれたのです。
グリップを失った彼はそのまま転倒し、膝を痛めて動けなくなりました。
救助が到着したときには、濡れた地面で体が冷え切って低体温状態。「靴の寿命管理」を怠ったことで、命の危険にさらされたのです。
別の事例では、30代女性がスピードハイク中、濡れた岩場で足を滑らせて転倒。
彼女はトレイルランシューズを履いていましたが、グリップ性能が岩場に適しておらず、バランスを崩して手首を骨折。
軽量=万能ではないということを思い知らされる事故でした。
登山靴・トレランシューズのメンテナンス
登山靴の手入れ
- 使用後はブラシや水で泥を落とし、風通しの良い日陰で乾燥
- 定期的に防水スプレーや専用ワックスでメンテナンス

意外にも、このような簡単な防水スプレーをかけておくだけで、汚れがつきにくくなる。
- ソールの減り具合をチェック。接着剥がれの兆候があればリソールまたは買い替え

シューグーは一時的な補修だけでなくソールの未然の減りも防止してくれる優れもの。
- インソールや靴紐も消耗品。年1回の点検が目安
トレイルランシューズの手入れ
- 汗と泥は劣化の原因。毎回必ず洗うのが長持ちのコツ

ウタマロ石鹸は全ての泥汚れに対応可能!!買うべし!!
- 中までしっかり乾燥。湿ったまま放置するとアッパーが加水分解する
- メッシュ素材は摩耗しやすいため、使いすぎには注意
- 薄手であるがゆえに寿命も短め。状態を見て買い替えを早めに検討
このアイリスオーヤマの靴乾燥機はマジで週一比較的低価格の割に120分乾燥すればほぼトレイルランシューズは乾いてしまうので、購入をお勧めします!
洗ってから、1日かけて乾かすと言うところを省ければ思った以上に靴洗いは快適なものになります!
まとめ:「靴を選ぶこと=命を守る選択」
登山靴やトレイルランシューズは、“その場を快適に歩くため”だけの道具ではありません。
疲労を減らし、事故を予防し、判断力を維持するための“命を守る装備”です。
軽さやデザインだけで選ぶのではなく、自分の山行に合った靴を選ぶこと。
そして、買って終わりではなく、「使い続ける責任」としての手入れを怠らないこと。
足元から始まる登山の安全。あなたは、どんな一歩を踏み出しますか?
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