とうとう、とうとう苗が手に入った。ワサビ職人、誰に聞いても「苗は無い。」そのカラクリがわかった。
ええっ、何でなのさ、せっかく耕して植えるところまで来て、何で
苗がないんだよ、そしてみんなワサビを育てているのに、なぜ苗がないの?カラクリって??
正確に言えば「苗が無い」のではなくて、「適正な価格で手に入る、人気の苗がない。」だな。
ますますわからないよ、適正な価格って?人気の苗って何?苗に種類があるの。
おっと、そんなに一気に聞かないでよ。まずは苗の種類だけど、、、ここはChatGPT4に調べてもらったのを読んでくださいな。
ワサビの苗の種類について
ワサビには主に「真妻(マヅマ)系」と「実生(ミショウ)系」という二つの系統があります。
真妻系の特徴
1. 栽培方法と特性:
真妻わさびは、根茎が硬く、粘りが強いのが特徴です。また、香りや辛味、甘味、苦味のバランスが良く、高級品種として扱われています。栽培は水質や水温、土壌など厳しい条件が必要で、成長も遅く2年前後かかるため希少価値が高く、生産量が少ないです 。
2. 用途と流通:
これらの特性から、すりおろした際の風味が高く評価され、高級料理店などで好んで使用されます。また、茎や花も食用とされ、春にはわさびの花を楽しむこともできます 。
実生系の特徴
1. 栽培方法と特性:
実生わさびは種から育てられるため、真妻わさびと比べて多くの個体差があります。栽培が比較的容易で、一年程度で収穫が可能です。しかし、その分、香りや辛味が一定しない場合があります。
2. 用途と流通:
辛味や香りが安定しないため、一般的な市場向けや加工用として多く流通しています。真妻系に比べて手軽に栽培・収穫できるため、広く普及している品種です。
これらの違いは、それぞれの栽培方法や品質、用途によって明確になっています。真妻系はその希少性と高品質から「幻のわさび」とも称され、愛好家や高級料理の世界で特に重宝されています。一方で実生系はその容易な栽培と安定した供給から、日常的に広く使われているのが特徴です。
とてもわかりやすい説明だね!タネから増える実生系。早く収穫もできるしその苗が人気なんだよ。
ん?この内容読んだら「実生系」ではなくて「真妻系」一択じゃない?
それが不思議なところでさ、伊豆や安曇野の方法と違って奥多摩が得意とする「渓流式」は実生苗でも安定した辛味や香りを持ったワサビが育つんだよ!
奥多摩すごいな、安定した辛味と香りが出るなら実生系一択だよ。だって1年でできるんだろう?
そうなんだよ、タネから作るから苗も安定していて、早生(わせ)で収穫までの期間も短い。奥多摩のワサビ栽培は大量の水が流れ、寒暖差も大きい渓流式ワサビ栽培。この方法と相性が良い実生系は辛味も味も出て、育ちも良いから人気があるんだね。
おっ、ちょっと待て、種から作る種から作ると言うけれども、逆に真妻系はどうやって苗になるんだい?
良い質問だなぁ、ではもう少し掘り下げてみよう。ヒントは「メリ
クロン」苗だ。
メリクロン苗について
メリクロン苗は、わさびの生長点を無菌的に切り出し、試験管内で培養して栽培用に順化した苗です。これにより、一貫した品質と特性を持つ苗を大量に生産できるため、品質管理が非常に重要な商業栽培に適しています。
メリクロン苗の代表的なわさび品種には以下のものがあります
ワサビのメリクロン苗の品種
飛河 (Hyuga)
早熟で根がよく形成され、成長が旺盛な緑茎系の品種です。
真妻No.1 (Mazuma No.1)
様々な栽培環境に適応し、根の分けつが良好で活力があるため、多くの賞を受賞しています。
赤鬼 (Akaoni)
高い収量を誇り、国内の競技会で最高賞を獲得している真妻系の品種です。
天城にしき (Amaginishiki)
真妻No.1と似ており、連作障害を避け持続可能な栽培を目指す品種です。
イシダル (Ishidal)
早熟で収量が高く、濃い緑の葉と根を持つことが特徴で、おろしたときのクリーミーな質感が評価されています。
鬼緑 (Oniryoku)
非常に早熟で太く暗緑色の根を持ち、理想的でない土壌条件でも良好に成長します。
正緑 (Masamidori)
中生で広汎な適用性を持ち、赤みが無く緑色の美しい品種で、特に安倍川沿いや長野穂高で広く普及しています。
丸一 (Maruichi)
早生で多収の品種で、下等田での生育の揃いやすさと、すりおろしたときの粘りと旨さが特徴です。
とメリクロン苗はいろいろな種類があります。クローン苗なので苗一株あたりの単価が高く180-250円となってしまう。
病気などにも強いのでメリクロン苗も植えてみたいが、まずは実生苗でしっかり収穫をしてみたい。
ってことなんだよね。タネから育てるか、クローン苗から育てるかの違いだね。
へぇー、奥が深いわワサビ苗!で、なんで誰も譲ってくれないの?そのカラクリは?
ワサビをやる人が少なくなったように、苗を作る人も少なくなっているということだよ。生産数が限られているんだね。だって苗を譲ってもらえる人を探すのにいろいろ電話したり、訪ねて行ったり、贈り物をしたり、大変だったんだよ!カステラなんて3回も送ったんだ!笑
苗を手に入れるのも大変だね、苗屋さんを自分で探して、信頼を勝ち取るまでもワサビ栽培者として大切ってことか。
そういうこと、やっと手に入れた信頼を知らない人に簡単に紹介して崩されても嫌だし、希少性があるからこそ、ってところもあるね。だって手に入れた先は誰にも言いたくないもん。
栽培している場所も秘密、苗を手に入れる先も、あえて育てるための秘訣も秘密、なんか衰退すべくして衰退している産業な気もするな。でもそういう職人の秘密みたいなもの必要なのかもね!植えるのがたのしみだね!
今回はこの辺で!
次はいよいよ植え付けだよ!!
手に入れた苗を水につけているところだ。
コメント
ワサビも種類豊富なんすね。実際に違いを味わってみたいもんですな。
先週末に伊東旅行にいったらお土産屋さんの店先に生ワサビが売ってました。
1本700~800円くらいで思ったよりお手頃だった印象。買わなかったけど。
あれは実生系だったのかなあ。
伊東あたりだと実生かなぁと思います、いま伊豆の若手は勢いがあるみたいで、実生でも真妻を超えるような品種を作る人もいるみたいです。しかしそのほとんどが門外不出らしく、この世界の闇を感じますね!意外にお手頃の値段で店頭に置いて販売チャンスを逃してダメにする、だからもっと値段を下げる、みたいなことが現地で普通に行われているのが実情で、とても良い品質のものも埋もれている印象ですね、その辺りをなんとかうまく販売に繋げたいですね!