
ヘッドライトを持っていたのに、使えなかった──
これは他人の話ではなく、私自身の体験です。
高性能なライトを選んだはずなのに、とっさの場面で操作に戸惑い、「これで本当に照らせるのか…?」と不安になったあの感覚。
また、現場で救助に出動した際にも、「ライトを持っていたのに点かなかった」「電池が切れていた」「スマホしかなかった」という声を何度も聞いてきました。
今回は私自身の実例と、救助現場での実感をもとに、“本当に使えるライトとは何か”をあらためて考えてみたいと思います。

押せば点く、電池も軽く入手が容易(18650充電池)安価、と間違いのないヘッドライトはコレ。
「持っていたのに、使えなかった」では遅すぎる
登山で最もシンプルで、それでいて重大なトラブルのひとつに、「ライトの不備」があります。
特別な状況ではありません。ただ日が暮れてしまい、道が見えなくなる。それだけのことで、命に関わる事故が起きるのです。
そして恐ろしいのは、多くの人が「ヘッドライトを持っていたのに、使えなかった」という共通点を持っていること。
今回はその中でも印象深い2つの事例を紹介しつつ、「本当に使えるライトとは何か?」を掘り下げていきます。
事例1:電池切れで点かないライト
50代の男性登山者が、午後から入山。想定より下山が遅れ、山道で日が暮れてしまった。
「ライトはある」と思っていたが、ザックから取り出したヘッドライトは点灯せず。
理由は単純な電池切れ。しかも予備電池もなし。スマホのライトもバッテリー残量が10%を切っており、操作を続ければすぐに電源が落ちてしまう。
彼は暗闇の中で身動きが取れなくなり、救助を要請。
ライトを「持っていた」のに、「使える状態ではなかった」という典型的な事例です。
事例2:ハイテクすぎて使えなかったライト
これは私自身の体験です。
ある登山で私は、PetzlのNao Plusという高性能なヘッドライトを使用していました。
スマホと連動して光量を調整したり、シーンごとに設定を切り替えられるなど、まさに“最先端”の装備です。
ところが、日が落ち始めた場面でモードの切り替えに手間取り、そもそも電波がなくアプリの更新が上手くいかず、「どの操作で点くのか」が一瞬わからなくなりました。
スマホがなければ細かい設定ができず、現場でとっさに使いこなすには難しすぎたのです。
結局は強く押すことで点灯しましたが、その時に思ったのは、「緊急時には“押せば点く”シンプルさが何より大切」だということでした。
登山で使うライトは「信頼できる即戦力」であるべき
登山においてライトに求められる条件は、かっこよさでも性能でもありません。
それは「いつでも、確実に、点灯する」という信頼性です。
- スイッチひとつで点灯する直感的な操作
- 交換可能な電池を使用
- 入手が容易な交換電池を使用出来る
- 点灯状態を維持できる十分な明るさとバッテリー
これらは「特別な機能」ではありません。
それは“普通に動作する”ことが命を守るという、最低限の装備要件なのです。
予備バッテリーは予備ではなく“主力”
ライトは時間が経つほど明るさが落ち、寒さによってもバッテリー性能は低下します。
そして点灯時間が長ければ長いほど、予想より早く消耗します。
だからこそ、「使いながら交換するため」の予備電池が必要です。
また、冬場や長時間行動ではリチウム電池(寒冷地対応)が推奨されます。
「まだ点いてるから大丈夫」と思わず、常にもう1本、2本を確保しておくことが重要です。
ヘッドライト選びのチェックポイント
- スイッチ操作が直感的であるか(手袋をしたままでも押せる)
- 防水・防塵性能(IPX4以上が目安)
- 光量(100ルーメン以上)、できれば調整可能な明るさ
- 電池の種類と交換方法(登山中でも簡単に交換できるか)
まとめ:ライトは“照らす”道具ではなく、“帰る”ための道具
日帰り登山でライトが必要になるのは、「計画通りにいかなかった時」です。
道に迷った、ケガで遅れた、急に天気が崩れた──そんなとき、唯一の希望となるのが“確実に点くライト”なのです。
そしてそれは、“持っているか”ではなく、“使えるか”がすべて。
ライトは装備リストにチェックを入れるためではなく、生きて帰るために持つものです。
自分のオススメライト H8R
プライベートでも仕事でもとにかくコレ。

「何を使えばいいかわからない」という方には、まずこの1本。
伝説の名作「H8R」の血統を継ぐ、Ledlenser H8R SE(Special Edition)は、初めての登山にも、長時間の縦走にも安心して使える“バランスの良さ”が魅力です。

最大700ルーメンの明るさ、手袋でも扱いやすい操作系、絶妙な重量バランス。
「軽くて、明るくて、シンプル」──まさに登山ライトの理想形といえるモデルです。
- 最大700ルーメンの明るさで、夜間の登山や捜索活動にも十分対応
- USB充電式で経済的&予備バッテリーも用意しやすい
- 前後バランスに優れた構造で長時間装着しても疲れにくい
- 直感的に操作できるダイヤル式スイッチで手袋着用時でも安心
- 防滴仕様(IPX4相当)で多少の雨でも安心して使える
- フォーカス調整機能つき:近くを広く照らす/遠くをピンポイントで照らす両立

電池そのままで放電もしないし、(マイルストーンのとか必ず使う寸前まで充電が必要)レドレンザーの中の人ではないけどとにかく押す!!笑
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